♪ゆーきのふるまちをー と歌いたくなるわけがない積雪ぶり。
いよいよ屋根も軽くピンチになりつつあり、
明日明後日で軽く降ろさねばならぬが、荒天だったら延期~、
と早くも逃げの姿勢でいるときに限って好天だったりするもので、
まぁなるようにしかならぬ(3年前に実感として認識した教訓)。

さてさて、新年早々、軽く放浪してきたのだ。K先輩と。
K先輩は我が町に奥様の実家があり、盆正月は大体一緒に帰省するのだが、
前お盆には激務のため帰ってこられず、おそらくは1年ぶりくらいかのう。
べちゃべちゃの甘雪が降りしきる中を湯沢へいざ出陣。

1軒目は「河童の川太郎」という老舗を目指したのだが、まだ正月休みか、
開ける気配無し。
で、国道からやっているのを確認した「みの屋」へ。
こちらの入り口がすばらしい。
暖簾というか、なんというのだあれは、でかい布に墨痕も鮮やかに
「湯沢だ!みの屋だ!!」というような言葉が紺地に白字で染め抜かれ、
その布が入り口横にぴんと張られ、飲み客をいざなうわけだ。

入るとほとんど予約席の間隙にちょぴっとあいた席があり、
そこに何とか座らせてもらう。

募る話はあるものだが、なかなかスタートが鈍い。
恥ずかしいのか?自分、と感じつつ自らを鼓舞しつつ、
お酒にも励む。
「スタミナ豆腐」は予想を凌駕するものであったのだ。
8等分した豆腐1丁に挽き割り納豆、芥子、ネギ、鰹節などが乗り、
しょうゆをかけて食う。
正月料理を食べ過ぎたというほどでもない腹ではあるが、こういうのは
ありがたい。
ここの店、熱燗が1合の設定が無く、初めから2合とっくりが出てくる。
串焼きなどの焼き物を担当しながら注文全般を差配する口元のほくろが印象的なお姉さんは
なかなかにキビキビと働いていて、こっそり一人で後日来たいと思わせる
魅力をもっているのだ。
ちなみにK先輩は相変わらず「幸薄そうな」女性が好きで、
そんなこと本人に言ったら失礼であろうこと間違いないのだが、
もう一人の女性が良かったと述懐する。

いや、女性の話をするために飲んできたのではないのだ。

意外に長く、3時間ほどいたのでしょう。
ビールバーに行きましょうと小生も初めての「コルサ・ロッソ」にご案内するも、
予約客で満席で、このまま〆にはいるのも(まだ9時前!!)なんだなぁと、
かねてから気になっており、少し前に蕎麦を食べるだけに入ってみた
駅前の写真館居酒屋(名前が分からぬ)に入ってみたのだ。

この店はもう明らかに、もともと写真館で、今も写真に関する営業はしていると
思われるのだが、一年奮起して夜の店になったらしいことを
地元情報誌にて読んだ気がする(銀行で)。
で、小生はワンカップ(美酒爛漫)、K先輩はハイボールを注文。
どちらも容器入りです。
「あけましておめでとうございます」と2度目の乾杯をし、
小生はカウンターの上にあったゆで卵を一つ手に取り皮を剥き、
容器の底に少量残る味塩をふってかぶりつくとそれは正に半熟卵。
もったいないから、ちびちび食べることにする。

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店内にはメニューの張り紙があるが、気になったのは
「卵(“らん”という振り仮名)カレーうどん・そば」。
カレーに生卵だとしたら少なからず厳しいものになりそうだが、
他のメニューに「かき玉うどん・そば」があったので、
生ではないと期待したい。いつか食べたい。
あと、各種缶詰もあります。
温かい(温かそうな)メニューは、
「ベーコン焼き」
「ソーセージ醤油焼き(今になってかなり心揺れ動かされる)」
「玉子焼き」
「煮込み」
「牛皿」
であります。

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我々には柿ピー(柿のタネだけでよい)や韓国海苔も供され、
ちびちびと小1時間ほど飲み、お会計はまあそれくらいかなと思いつつも
驚愕の二人で700円!!
K先輩のご馳走になり、いざ「ポケット」へ。
ちなみに、我々がいる間に、年配男性4名がやってきてですね、
厨房とは反対側の(入り口が二つあるのだ!!)テーブル席で楽しそうに飲んでいたのだ。

今年初めての、「ポケット」であります。
迷うことなくマンハッタン、ウィスキー、「こまち」というショートカクテルなどに続き、
久しぶりにジントニックも飲み、
K先輩は「ラガブーリン」を痛くお気に召したようで、
驚くほどのスピードで飲み続けておられた。
初めは閑散としていた店内。
気づくと人で充満していたのだ。
で、0時頃にお会計してもらって帰ることに。

ここからが大変でした…。
よんだ代行がなかなか来ない…。
K先輩と車内にて延々と喋りながら待つことなんと1時間半。
気の長いのにも程があると、今一度代行に電話したわけです。
すると、「あーさっきの」と言われ、覚えていてくれたことには感謝しつつも、
ずっと待っているのだから来てくれと懇願し、
「あと20分くらいで行きます~」とのことで、
実際にはあと何分で来るのだろうと思いきや、ホントに20分で来て、
結局のところ2時間ほどかかって車にやっと乗ったわけで、
主要道路には既に巨大な除雪車が行き交い、
コンビニエンスストアでK先輩を降ろしつつこれ↓
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を購入し、家に帰りますと我が家から人が出てくる。
ワッと心の中で思いつつよく見ると新聞配達員で、
あぁそんな時間になっていたのかでも代行来なかったのだからしょうがないと、
愚にもつかぬ言い訳をしつつ家に入ってさっそく
上記食品を食したのであった。
時計を見ると4時近く。
いつも起きている時間に近づきつつあるではないか。
このまま起きていようかと思ったが、それもあんまりだと思い、
いろいろ思ってばかりなのだがとりあえず寝たのでありました。
長い長い時間が過ぎたのでありました…。
○にはずばり、「ず」が入るのだが、何となくストレートにタイトルにし辛く、
こういうところが気の小ささの表れなんだろうと思いつつ、
でもとにかく憧れの店に行ったのだ。うっとり。

その日、ある会合のための打ち合わせというか、食事というか、
ちょっとした飲み会があり、家を早めに出て、ちょこっと行ってみようと思ったのだ。
何しろ、「す○らん」は早く店仕舞いするらしい。
他にも都市伝説的な噂がある。

*地元の名士(議員とか、社長とか、銀行の支店長とか)しか入れてもらえない。
*常連になると、〆にチャルメラを作ってもらえる。
*その他

これはもう、興味津々なわけで、18:30に店の前に到着。
まだ外は明るく灯はともっておらないが、暖簾は下がっている。
堂々の入店だ。(ホントはおそるおそる)

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入ると誰もおらぬ。が、人の気配はする。
カウンターが6席ばかり。
カウンターの向こうには居間が見える。
カウンターの横の戸の奥もお座敷だ。
カウンター内は雑然としている。

「いいですか~」と声をかけると、「はぁ?」というお年を召した女性の声。
ママさん登場である。
一瞬怪訝な表情を浮かべられ、やや怯みつつもカウンター右から2番目に着席。
メニューらしきものは何もないので、(そうであろうと予想していた)
「ビール下さい」と注文。
ママさん、まずは布巾を水ですすぎ、絞って小生の前に置く。
ちゃんとたたんでなくって、これはおしぼりなのか布巾なのかと
疑問に思う。そして、両方に使おうと考えた。
続いて、コップを棚から取り出し、流しのたらいに入った水にじゃぼんとつける。
そして水で洗い、特に拭きもせずに小生の前に置き、
冷蔵庫からアサヒスーパードライ(中瓶!!)を取り出して栓を抜き、
何と注いでくれたのだ!!
「あらー、綺麗な手だごど」
それもそうだ、小生は働く男の手を持っていない。
ママさんは枝豆を出してくれた。
塩がきいてて、若くて旨い。

そして、ママさんとのトークが始まった。
突っ慳貪にされることを予想しての訪問だったのだが、
それは根底から覆されたのだ。

<訊かれたこと>
・どうして来たのか。間違ったのか。
・どこから来たのか。
・どこに勤めているか
・仕事は大変か
・子どもはいるか
・今日、これから何かあるのか

もう、機関銃のような質問で、しかもじっと見つめられ続け、
こちらから訊いたのはママさんの年齢とどんくらい店をやっているかで、
何と驚きの「50年になる」とのことで、凄すぎる。

たった30分くらいの滞在であったが、実に実り多き訪問でありました。
何といってもこの店、「起きれば開ける」とのことで、
近所の暇をもてあました人達が午前中から集っている、とは同級生の証言。
でも、午前10時くらいに行ってみたいものよのう。

その後、同級生H君(冬に一緒に飲んだとき、誰と飲んでいるか忘れた相手)の店、「勝巳」にて
打ち合わせをしつつ旨いものをいろいろと食わせてもらい、
こっそり「めん丸」でラーメン食って帰ったのだった…。


<勝巳でいただいた旨いもの>

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「鶏モツ煮」「シラスおろし」

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「卵豆腐」「酢の物」(これが実に旨い!!酢の物だけで注文したい)

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「鯖焼き」

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「牛ホルモン焼き」
たまに小生のことを気にかけてくれる、中学校の同期生であり、
現在は生家である料理屋の跡を継いだH君と飲みに出かけたのだ。
H君の店の換気扇排気口フードというのであろうか、
面白い仕掛けがありまして、こちらです。

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「軒下in軒下」であるところも良いのだが、それ以上に、
可動式の蓋がついているところが良い。
この蓋、使わないとき(営業時間外)には閉めるようなのだが、
「なんでまた…」と質問したところ、
「蝿が入ってくる…」とのことで、
それは意外なところであったのでした。

ま、それはよいとして、小生はまだ営業中だったH君の店を訪れ、
ちょっとばかし飲んだ後に、H君と共に湯沢を目指したのだ。


行き先は既に決めていた、餃子の店、「ぱんだ屋」だ。
本来片仮名である言葉を平仮名にするのは、少なからず脱力感を生み出すもので、
店主の気持ちも表れているものと考えて間違いなかろう。

まずは…、の生ビールと餃子を頼む。
餃子は、注文が入ってから包んでくれる。
冷蔵庫からタネを出し、一度練ってから、皮に包む。
で、焼く。
これです。

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餃子のある居酒屋は何だか嬉しい。
小生が愛する横手食い道楽本店にも餃子はある。
あんまし頼まないけど。

日頃大食漢な我々は、意外につまみはあんまり頼まなかったりする。
アボガド、という名に惹かれ、「アボガドとベーコントマト炙り」だったかの
名称のつまみを頼む。

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あと、横手市の肉や、「たかゆう」で仕入れるらしい、
「メンチカツ」も依頼。
これは、H君に全て食べさせた。
目の前で、付け合わせのキャベツが刻まれるのを眺めるのは、
少なからず嬉しい。

H君と、地元の農産物の振興発展の話、酒造元の話をする。
小生が好きなのは何といっても湯沢の木村酒造だ。
「一水」をこよなく愛する。
最近、飲んでないけど。
で、店主に、冷やで飲める酒、と依頼。
出てきたのが、これらです。

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どちらも、木村酒造の酒。
その名もズバリ、「福小町」と、「しおりの酒」。
夏子の酒か?

それはそうと、おいしくいただく。
生酒は、アルコール度数が高いから、嬉しい。

こんなときにもう一品ほしくなるとしたら、珍味系統だ。
すると、店主が「ちょうどいいのありますよ~」というようなことを言い、
それはタラコの和え物だというので、迷わず依頼。

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目視できるのは葱くらいなのだが、
いろいろ手を加えているそうで、少し甘みのある冷や酒にはピッタリである。

湯沢市にかつてあった「大丈」というデパートの大食堂の話で、
実に盛り上がった。
そのことを思い出していたら、昨夜、夢に見ました。
廃墟になっているという寂しいものであったけど。

小生は大丈で、「ピッツァハンバーグ」がお気に入りでした。
ハンバーグの上に、チーズがとろりと溶けて乗っている。
唾液の洪水です。
たまに食べるから、おいしかったというのもあるのだろうけど。

今でも覚えているのは、超合金のおもちゃ「ボルテス5」の5体合体するのの
脚部を遂に買ってもらい、「これで全部揃った」と小躍りする気持ちで、
大食堂で昼食をとったことであります。
小学校に入ったばかりの年でありました。
人生のおそらく半分以上が過ぎ、あとはそれほどワクワクすることも
ないかも知れないこれから先、どう過ごすかといえば、
バイクの免許を取りたい。

さて、話は戻り、湯沢市にも魚民が進出し、
どんなもんだべ、と、打ち揃いて突撃。

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魚民は、大体において、駅の目の前だ。
店に入ると、人手が足りないのか、少し待たされる。

で、部屋に通されました。
完全なる個室です。
H君は、スポーツドリンクみたいなので割った酒、
小生は赤ワイン(届いたら冷え冷えで、寒くなった)。
つまみは、「酢モツ」ともう一つ何かでした。

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それにしても…、と思うのは、近頃のチェーン居酒屋は
個室感が強すぎないだろうか、ということなのです。
閉鎖された空間に、『うる星やつら』の面堂終太郎のように、
「暗いよ~狭いよ~怖いよ~」と泣き叫ぶ者はおらぬのであろうか。

いや、そんなことよりも、何といっても、他の客の存在が
ほぼ消されていることに、危機感を感じるのだ。
他者とのコミュニケーションを減少させてしまうことは、
個人化の突出につながり、何でもかんでも他者を排除する、
あるいは、無意識のうちに他者を避けてしまうような、
そういう風潮を生み出してしまわないかと危惧するのだ。

居酒屋は、人とかかわる場でもあるのだ。
そう考えると、個室化が進むチェーン居酒屋は、
引きこもり的な、内々で完結する酒飲みを作り出してしまうのだ。
世のためにならないのだ。

チェーン居酒屋よ、壁を取っ払おう!!
人々が交わる場を作り出そうではないか!!

…ま、選ぶ人にはいろいろ考えがあるでしょうけど。

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ちなみに、赤丸したところの「席料」ってなんだ!?
一人105円のようだ。
こんなところに閉じこめておいて、金まで取るのか!! 
ドン!!(憤慨のあまり、机を叩いた音)


…やや熱くなってしまった魚民の後に、名店「ポケット」に遂にH君と行き、
いろいろ飲んで、いろいろCDをかけて貰って実に楽しい時を過ごし(ここは、いつも楽しい)、
仕上げに「味王」に行ったわけです。
ここでアルコールを頼んだかは定かではない。

ただし、お互いが頼んだものは覚えている。
小生が味噌ラーメン、H君が味噌ラーメン大盛りだ。
ラーメンができるまで、何をしていたかは定かではない。
ただ、トイレに行ったのだ。
戻る途中、思ったのだ。
「僕、誰と飲んでいるんだっけ?」
そういう状態になった自分に驚愕し、必死に考え、その結果H君であると思いだし、
ホッとして席に戻って、平静を装いながら、H君には大変に申し訳ない気持ちで
一杯でありました。

そういえば、たまにあったような気がする。
酔いが回ってくると、目の前にいる人が誰だか定かでなることが。
相手の顔が別の人の顔に見えてくるときもあります。
名付けて、「定かでなくなる症候群」。
みなさんも気をつけましょう。

さて、帰宅してからのことだ。
何を血迷ったのか、小生、コンビニに寄り、いろいろ買っていた。
「焼きそばバゴーン大盛り」だ。スープも付いててお得。
帰宅してからそれを食し、残りご飯も食べ、挙げ句の果てに
スナック菓子まで食べ、何だか面倒くさくていいやと思い、
歯を磨かずに寝たという酷い結末。
これだから酒飲みはやめられませぬな。イヒヒ。

H君、お世話様でありました。また行こう。
君が誰だか、忘れないから。
「これは内側が犠牲か…?」
と思わずにはいられない、一部切り捨て型の災害対策設備といえるであろう。
かなり、穿った見方ではありますが。


会議というか、シンポジウムのあと(実は途中退席)また長良橋でも見て
バスに乗って帰るべぇかととぼりとぼりと歩いていたところ、
何だか見慣れぬものが。
蔵のように見えたのだ。はじめは。

説明書きを斜め読みして納得がいった。
可動式の堤防だ。
大災害時に、ここを閉鎖するのだ。

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ここと

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ここの間を閉鎖するのだ。
レールの上を堤防がゆらりゆらりと動いていくのだ。

だいたい理解したところで、
近くのお婆さんに取材してみた。
こういう時のお年寄りはありがたい。

次のような話を聞くことができた。

はいその通り、ここが動いて堤防になり、水が流れていかないようにするのです。
いつできたかというと、一昨年くらいだったでしょうか。
改修工事をしていました。
前も同じようなものがあったんですよ。
一度、水があふれて洪水になったことがありました。
伊勢湾台風の時でした。
(その次の年も洪水になったという記録がある)
あのときは大変でした。
そのあとに、こういうものができたのです。
ここを閉めるほどの大雨が降ることはないですけど、
1年に1回、ここを閉めてみる夜間訓練があります。
そういえば、去年、大雨が降ったときに閉めたような気もします。

とのこと。

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とりあえず滅多に閉めることはないのだが、
一応動くか確認するのと、咄嗟に対応できるようにするためにであろう、
年に一度の消防団の皆さんが中心になっての閉めたり開けたりの訓練が
あるようだ。
いちいち新聞に載るようだ。
地元の皆さんの心配事なんですねきっと。
ブライトリヴィドーに住む皆さんも毎日長良川を見下ろしながら、
洪水は困るなぁと思っているのであろう。

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それにしても思うのが、この陸閘の内側に住む皆さんのこと。
大水の際、内側の皆さんの住居は、そうすると、
もう諦めるしかないということなのですね。
陸閘を閉鎖するときには、もう、おうちとお別れするということなのですね。
それは他人事ながら、なんとも悲しく思われるものであります。
割の良い保険に入っているのか、
県とか国とか市から特別なお手当てがつくのか、
結局お金の話にはなりますが、
そのへんのこともお婆さんに訊けば良かったなぁと
今更ながら思うわけである。


ちなみにこの陸閘。
大阪や埼玉、同じ岐阜では美濃加茂市にもあるようだ。
普段道路であるところを閉鎖するというのが、その大きな役割だ。
岐阜に行き、こういう今まで知らなかったものについて
知識を得たことを嬉しく思う。
あっという間に3日目だ。
ゆうべそれほど深酒をしなかったこともあり、さっさと起床。
ホテルでは無料の朝食を摂れたのだが、せっかくだから、昨日見つけた喫茶店で
モーニングをしようと、身支度を調え、荷物を預け、さっさと出立。

徒歩5分ほどのところに昨日は元気に開いていた喫茶店のシャッターは
無情にもおりたまま。
先に進めば開いている店もあるだろうと、元気に歩を進める。
一応、本日の会場である長良川国際会議場方面に向かって。
なかなか開いている店が見つからぬ。
日曜日のせいもあるのだろう。
著しく剥き出しになっている送水口を発見。

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ここはおそらく換金所。

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アーケードには多種多様な状態の送水口が潜む。
さらに、こんな小路を発見。

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当時の高邁な理想が伺える、素晴らしい名前ではないか。

そして、つげ義春好きは全国至る所にいる。

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空き腹を抱えつつもちょっと探索して、
また進路を長良川方面にとる。

ゆけどもゆけども喫茶店は見つからず潔くバスに乗る。
地図によると、岐阜公園の入り口付近にはコンビニエンスストアがあるので、
そこでパンや牛乳を買って、長良川を眺めながら朝食にすれば良かろうと、
半ば諦めの心境だったわけです。

で、岐阜公園入口でバスを下車。

すると、マンション(すごい名前だ。「輝く性的衝動」?)の1階にレストランが見える。
朝なのに店内には照明が点いている。

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おそるおそる入店。
店内には先客が2名。
店の人が見あたらないが、座って待とう。

少しして、妙齢の女性が出てきて、
「営業は8時からですが、待っていていただいてかまいません」
というようなことを小生に告げ、去っていった。

で、ホテルでもらった朝日新聞を熟読。
と、続々お客さんが入ってくる。
すごいぞここの店。
で、程なく先ほどの妙齢の女性(つまりお婆さん。小柄で上品)がオーダーを取り始める。
メニューなど見せぬものだから、とりあえず「コーヒー」と平凡な注文。
ちゃんとモーニングは付いているのだろうね、と半ば祈るような気持ちで。

そうしている間にも続々お客さんが入ってくる。
観光客風の人もいれば、地元の人と思われる人たちもいる。

順次、飲み物が届けられる。
コーヒーしかこない。
で、訊いちゃった。
「何か食べ物はありますか?」

すると先ほどの店員さんが
「モーニング出てますからね」
と答える。
この「出ている」というのは、「出ます」と解釈して良いのだろうか。
良いのだろう。
で、ちょっと安心してコーヒーを飲んでいるとモーニング登場。

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これが夢にまで見た(見てないけど)小倉トーストなのか。
しかも、きっと、要らないという人もいるのであろう、
はじに遠慮気味に添付されている。
遠慮なんて要らないのだ。
スプーンでのばし、あんこの領地を広げるのだ。
温泉卵も大変嬉しく、おいしくいただきました。

お会計して驚愕。
驚きの380円。
コーヒーだけの値段でも安いと思うが、
それにモーニングまで付随しての値段だ。
モーニング文化、万歳である。

まだまだ時間がある。
長良橋から、鵜飼いする川を見学しようかと移動。
すると、遠くに、川の中に人がいるのが見える。

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漁?

長良橋を渡り、国際会議場へ赴き、会場で売っていた名産物をこれ幸いと買い込み、
シンポジウムに参加、というか聞いただけだけど、
帰り際に目の前に座っていた女学生のジャケットの襟が裏返ってますよと
怪しまれるのをおそれずに指摘したら、
その友達にまで笑顔で会釈され、
嬉しいような恥ずかしいようなほんのりとした気持ちで国際会議場をあとにしたのであった。

駅前に移動して名鉄にて中部国際空港に移動するべく切符を購入。
さてきしめんでも食うたろかと店を探してもない。
讃岐うどんの店くらいしかない。
やはり名古屋でないと駄目なのか…。

仕方なく、駅の下にあるスーパーで昼食を買い求めることに。
さんざん、馬鹿みたいに迷ったあげくちらし寿司と餃子を購入。
いろいろ荷物を抱えてレジに並んだら、前にいた女性(お婆さん)が
「仕事の方、先にどうぞ」
と親切にも通してくれた。
これはきっと、荷物を入れたバッグに、裸の大将がリュックに刺していたように、
昨夜買ったビニール傘を刺していたからなのだろう。
ちょっと、そういう感じの“仕事の方”に見えたのだろう。
不憫に見えたのだろう。

ありがたく、先に会計してもらい、駅に行って改札を抜け、ホームで特急を待つ。
中部国際空港直通だから、大変楽だ。
で、乗車して昼食を広げた。

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思いの外、ちらし寿司は上げ底なのであった。

特急は名古屋駅を通り過ぎ、中部国際空港へ。
空港できしめん食えるかな。

着いてみると、ものすごい人だ。
荷物を持って歩きにくい。
時間がそれほどない。
きしめんの店はあるようだ。
しかし、離陸時刻まで30分ちょっとだ。
これはもうあきらめるしかないのだ。

あぁやっぱり2日目の朝に、モーニング食べた後でもいいから、
思い切って食べるべきだったのだよ。
あの幅広の麺を食うてみたかった。
きしめんよきしめんよ
君への憧憬の念は広がるばかりなのだが、時間がないのだ。
ま、いつか食えるでしょう。

潔くあきらめて機内へ。
歩いて乗るタイプの、細い飛行機。
しかもプロペラだ…。

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まとめ
愛知と岐阜は同じ文化圏。しかし岐阜にきしめんは、ない。多分。
東海地方の居酒屋でお通しは出てこない。多分。
そして、モーニング文化は、偉大だ。
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