読者の皆様(ネットの場合何というのが正確なのだろうか。視聴者?)あけましておめでとうございます。る。
 新年早々大変にすばらしい本を購入いたしました。その名も、「奇食珍食」。中公文庫、小泉武夫氏の著によるものであります。中公文庫万歳小泉武夫万歳。
 ついでにこういった本は図書券で買うのが一番。図書券持ってて良かったな。

 で、みなさんはへんてこな食いもんに興味ありますか?ワタクシ大いにあります。だからこんな本買ったんだけどね。では、この「奇食珍食」に基づいてジャンル別に論じていきたいと思いまーす。文中の引用はおおよそ「奇食珍食」より。ブルーで示しまする。

<虫食い>
 といっても、洋服に開いた穴や本に開いた穴じゃねえですぜ旦那。虫を人間が食べるんです。秋田県ではイナゴを佃煮にして一般的によく食べますが、飛騨の皆様にはかないません。先に謝っておきましょう。ゴメンナサイ。
 沖縄でも話を聞きますが、蝉を食うんですよ蝉を!!
 ワタクシ蝉をつかめないんですよ。あの鳴き声があまりに暴力的なせいもあって。
 そんな蝉ちゃんを喜んで食べる方たちが存在する。どうしたらいいものやら。トホホ。

飛騨生まれの私の友人は、今持って蝉喰いの第一人者で、「ずば抜けて旨かった」あの蝉の味が忘れられず、毎年夏になるとその目的のためだけに田舎に帰り、蝉を食っている。

 その目的のためだけに!?
 思わず目を疑ってしまうワタクシ。
 何が彼を、彼らをそうさせてしまったのであろうか。ワタクシはこう考える。
 ①口を開けて昼寝をしていた
 ②口の中に蝉が飛び込んだ
 ③モグモグ
 ④うまい!!
というわけで、やみつきになったんだなきっと。

 でもですね、ワタクシは思うのであります。
 こちらの本にもあるのですが、虫食いの醍醐味は、見た目を我慢することなんかよりも、虫の体内に芳醇に含まれるタンパク質成分のうまみと甘さだそうな。
 それは分かる。
 なんでかっつーと、ワタクシとある講習会に参加するために、松本を昨年二度訪れたわけだが、飲み屋でついに挑戦したんだな「信州珍味セット」に。蜂の子やイナゴなんかは全然何ともないのだが、やられたのは蚕のさなぎ。さなぎといえばイナズマンですな。サイボーグ009と同じくらい泣ける話だ。それはさておき。
 幼少の頃、父親の鯉フナ釣りによくついていった。エサは練り餌だ。今思い出してみると、そのエサは"さなぎ粉"といったんだ。
 蚕のさなぎの甘露煮はまさにそのさなぎ粉のかほり。そうだったのか。いいにおいだと思っていたのは、粉末にされたさなぎのかほりだったのね。とにかく、エサのせいもあるのだろうが、独特の臭み。あと、個体としての体積が大きいので、見た目のえぐさもアップ。とりあえず、途中でかみ切ろうなどとは思わず、息を止めて10回くらいかんでから飲み込んだのだ。で、珍味セットは完食までは至らず。イナゴは全然平気だというのは、小さい頃から食べて育ったせいもあるのかもしれぬ。いやいや、他にも食べ物はありましたが。
 ものすごいのはカミキリムシやクワガタの蛹(さなぎ)に関する次の記述。カミキリムシには小さい頃に指をかじられたから嫌いだ。

ちょうど私も福島県の山の中で育った幼少の頃、ナラやクヌギの薪を割ると、中から時々出てくるこの幼虫を、焙烙で空炒りし、醤油で味付けしてよく食べたものである。ちょうど人差し指ほどの大きさで、さわると柔らかく豆腐のような感触だったが、炒ると硬く固まって今度は焼き豆腐のような感触に変わる。口の中にこれをほうり込み、噛み潰す時、「プチュン!」という破裂音を口に残して虫が破れ、口中にどろどろの旨汁が充満する。

 …旨汁。あまりに充満されても困る。珍味はちょっとでいいのだよちょっとで。
 とにかく、幼虫系の虫の味は全部一緒だな。多分。
 といっても、三種類くらいしか喰ったことないんだけどね。

 余談なのだが、「蚊の目玉のスープ」というのをご存じか。コウモリは蚊をよく食う。コウモリのうんこを集めて消化されていない蚊の目玉を採取し、スープに浮かべるのだそうな。大変美味だそうな。

<爬虫類両生類食い>
 これはあんまし味わうものではありませんな。身が少なそうで。俗にいう”薬喰い”の方が主流であろうか。いや、南の方の国にいる大きなトカゲは鶏肉に似ていて旨いものであるらしいし、蛙料理も捨てがたいという。新宿西口で友人とイタリア料理店を探しているときに偶然見つけた「朝起(読み方は各自想像するように)」のことが本書に記述されていて、少し嬉しかった。「朝起」は蛙、臓物料理が得意なそうだ。ところで。

 学生の時、日光に旅行に行った際喰いました。サンショウウオの黒焼き。その夜は絶倫!!と思いきや、別になんにもなし。そうだよな、あんなにかわいらしい大きさ。味はタレで焼いたからタレの味。あとは苦いだけでありました。虫に比べると特に栄養もなさそうで、昔の人もよほど飢えないかぎりは腹を満たすものとしては食べなかったかもしれませんな。
 すごいのが次の「蛇飯」であります。

 びっくりするところでは蛇飯というのがあって、これは野良で釜や鍋で飯を焚くとき、生きた蛇も一緒に入れて蓋をして火にかける。すると蛇は、熱さにたまりかねて蓋の間から首を出すところを押さえてそのまま煮つづけ、しごきながら引き抜くと、肉だけがバラバラになって骨だけ外に引きだせる。そのご飯をむらしてからかきまぜ食べるというものだが、蛇は提灯骨だからそんなわけにはいかず、まったくの作り話だろう。

 作り話だとしても!!すばらしい発想ではあるな。これはいろいろと応用がききそうだ。魚なんてすぐにできそうだもんね。サンマとか旨そうではある。
 それにしても、かなり生臭いのだろうなぁ。「水曜どうでしょう ユーコン川編」で、川で釣った魚を炊き込んだご飯を作っていたが、かなり生臭いと言っていた。蛇だったらその比ではないであろうな。
 だってさ、前に山の中に勤務していたときに蛇の抜け殻を拾って来た子にむりやり抜け殻もらって、サイフの中に入れとけば金持ちになるというからそうしようといじっていたらめちゃくちゃ手が生臭くなったことがあったりして。抜け殻ですら生臭いのだから、その身の臭さを考えればそはいかに。

<腔腸動物食い>
 寿司屋で働いてて、目が覚めるように旨さを見直したのはホヤであります。新鮮なやつのとがった方の上下を切り落とすと、ジュバァッと体液が飛び出し、それはそれで旨かったのだが、その蓋の部分内側についているオレンジ色の透明なゼラチン質がもっとも旨い。
 あのー、あれですな。味付けはあんまりいりません。塩味というか、磯味がついていて、えぐみもあったりするのでありますが、酒飲みにはかなりよろしいつまみとなるわけであります。

 ナマコも何ともいえませぬ。その旨さを知ったのは、仙台の源氏でのことでありました。関東では肉の軟らかい青ナマコ、関西や中国では硬めの赤ナマコを用いるそうな。

 あとあんまり興味なし。

<灰>
 灰を食べるのです。といっても、これも薬喰い。最初この項目かなり退屈であったのですが、次の記述に大ウケ。

 「大便を久しくこらへる伝」
 柘榴の実を丸ながら黒焼にして渋柿の色付けたるを黒焼にして此二色を等分に合わせおき粉にして白湯にて呑ばとまりこらへること妙なり


 …確かにワタクシも妙だと思います。ま、いずれにしろ(上司の口癖)灰つぅものは強度のアルカリ性であって、それが体や食品に何らかの影響を及ぼすということなのでありましょう。ラーメンとかはタンパク質にアルカリを加えることであのシコシコ感を出すことができるわけですし。

 なんだか普通だなこの項目。

<体の一部分食い>
 以上までが「奇食珍食」の中で紹介されていた項目。他には、軟体動物、魚、鳥、哺乳類貴料理珍料理、奇酒珍酒がありました。
 ここからは自分なりの奇食。「自分なり」という言葉、なんだか使ってて恥ずかしいな。

 さて、体の一部喰い。

 この項目に関しては、妹(Y氏)に教えを仰ぎたい。何といっても彼女、足の爪を食べ過ぎて、足の指にくっついていた細菌に感染したのか、熱を出したことがあった(らしい)。手の指だけで飽きたらず、足にまでいってしまったのは何といってもあの食感にあるのでしょうか。何とも言えない歯ごたえ。だ液によって柔らかみを帯びたそれは口の中にいつまでも入れておくにふさわしく、飲み込むのは惜しい。
 あるいは、おいしい。
 とにかく、爪は体喰い第1位でしょうな堂々。
 第2位と考えられるのは、多分「皮」。指のささくれや、荒れた唇の皮などははがしたあとに捨ててしまうには惜しい。彼等の行き場はただ一つ。口の中であります。皮膚もタンパク質なのでありましょうか?ということは、些少ではありますが栄養になってまた体の一部になる訳だ。リサイクル万歳。
 第3位は、「血」でしょうな。出血すると舐めますね。血小板だけではなく、だ液にも出血を抑える、または傷口を消毒する役目があるそうであります。「奇食珍食」の中にもよく出てくるのが、血を飲んだり熱加工して食べたりする話。壮絶なのがアマゾン川流域の村の、血吸いヒルを使った牛血ソーセージの話。
 血吸いヒルを牛の体に一晩くっつけておくと巨峰一粒の大きさくらいになるそうな。それを煮たり炒ったり茹でたりして食べる。皮が羊の腸からヒルに変わったくらいと考えれば…、いや、あまり考えられませんな。
 人間の血は鉄の味がしますな。皆さんは傷口から出る血を人に吸ってもらったことがありますか。

<闇鍋>
 さていよいよ最後の項目。みんなの憧れ闇鍋であります。誰も憧れていないか。
 闇鍋には、普段食べないもの、まさにそれを「いかもの」という訳でありますが、それをどしどし入れたい。が、蛇とか蛙とかの生き物ではつまらないと思う。理想は生きていないものをこっそり入れる。次のようなものは如何か。


○履き物…下駄とかの大物が入っていると鍋が一気にダイナミックなものに。長靴やブーツなどは駄目ですね。おつゆが中に入ってしまう。あと、草履なんかは煮えたらホントに食べられそうで良き哉。革靴なんかも頑張ればなんとか。
○文房具…カレーの匂いのする消しゴムとかありますよね。あと、寿司を模した消しゴム。本当に食べてしまいそうだ。紙なんかも、結構いけるんじゃないですか。おつゆを吸い込んで。うーん、文房具鍋。やる価値あるかも。ないか。あと、鉛筆の削りカスでダシは取れないものか。削り節に似てるし。
○鉱物…論じる価値を認めず。


 闇鍋って暗くしてやらなきゃいけないんですよ。味付けも自由な感じにできそうで楽しそうであります。皆さんも、パーティーの余興として、ぜひ。

<まとめ>
 贅沢を極めると、こういった奇食珍食に人は向かうもの…ではないとは思いますが、なんというか、普通のヒトは食べないだろうと思われているものでも、意外に自分はその中に入るものを一つか二つは食べていたりするモンです。それが言いたかったのです。というわけでおしまいです。

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