私が幼い頃、そう、小学校3年生ぐらいの、まだ両親と同じ部屋で寝ていた頃のことである。
 父は毎晩のように、布団に入った私の横で本を読み聞かせてくれた。おもに世界文学全集や、世界の偉人伝である。
 自分で本を読まなかった、というわけではない。父なりにそのような行為をしたかったようである。
 毎晩の読み聞かせは、私を新しい世界へと導く。
 学校の教室の本棚にはないような、マイナーな話ばかりである。実際、小学校の本棚には、日本の作家による学校もの、家族ものや図鑑を薄くしたような本が並び、外国の作家による少年向きの本に接したことはなかった。
 「トムソーヤの冒険」や「ロビンフッド」、「80日間世界1周」などのような話に胸が躍る。しかし、心に残るのは、終始、悲壮感のただよう話ばかりである。
 病に冒された少年(少女)が、不自由な体をむち打って、ある行為に臨み、最後は悔いなく死をむかえる。そんな話ばかりが心に残る。どちらかといえば、残酷な話が子どもの頃から好きだったように思う。「モヒカン族の最後」は、人の死ぬシーンが多かったのに、かえって胸が躍った。そのなごりは、今でもある。猟奇的な事件には、妙に興味を引かれる。
 さて、いま取り組んでいるのは、中里介山著の、「大菩薩峠」全20巻だ。ちくま文庫の出版であるため、1冊の単価が高い。2冊だけ購入して、残りは友人に借りてある。本は買えばいいというものではないと、最近思うようになった。図書館にも足繁く通っている。図書館で本を探してうろうろするのも、なかなかいいものですぞ。
 というわけで、今晩も読書なのだ。

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