第1章 発端
「満ヘアー」
この言葉がメモ帳に残されている。
はっきり言ってなんのこっちゃである。
ヘアーが満々?

そんなことはどうでもよく、久々のオリジナルメンバーでの居酒屋放浪である。
K君とK嬢は地域の秋祭りの実行委員長のようなものとなり、
とてもとてもとってーも疲れていたので、それを慰労すべく、
久々に放浪することにしたわけである。
放浪が慰労になるのかどうかはこの際どうでもよいことにして、
メンバー紹介だ。

*K君 長崎は佐世保出身の九州男児。繊細な中にも大胆さが見え隠れする。
*K嬢 酒と肉が好き。最近、自分の調子に応じて酒を飲めるようになってきたようだ。
*Yちゃん チューハイが好き。冷静沈着。極まれに弾ける。
*小生 思い立つところあり、家で酒を飲まないことに決めた。ホントです。

体調はよし。機は熟した。いよいよ出陣だ。馬をもて!!


第2章 再会
K嬢が「豚汁の材料切るのが長引いてて少し遅れる~」とのことで、ゆっくり集合。
小生とYちゃんはちょっと早めに世に名高い「ほていや」に入店。
マスターとの再会を喜び合い(少なくとも我々は)、席につきまずはビールで、
喉を潤しつつ、メニューを熟読。
ん~、この八角というのはあの八角だ。北海道でしか食べれぬと思っておりましたが、
まさかほていやで食べることが可なりとは。
静かに興奮しつつ、オーダーを熟慮。

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そうこうしているうちに、玄関がややにぎやかに。
K嬢とK君登場だ。
にぎやかなのは勿論K嬢だけ。
再会を喜び合い(1週間ぶりくらい)、飲み物はみんなビール。
乾杯した後早速の注文だ。
刺身と肉と酢牡蠣などを頼む。

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ほていやの突き出しは、3点盛りであります。
かつてバイトしていた寿司屋でも、宴会料理には必ず3点盛りが出ていた。
皿を傾げると料理が転がって困ったことを思い出す。
今日の突き出しは、左から<烏賊の塩辛><肉団子(或いはつみれ)><ナメコとキクの和え物(というか煮たやつ)>である。塩辛は濃厚。つみれは美味しかったのだが1個しかなくて残念。ナメコとキクの…は食べ慣れた家庭の味ですな。
突き出しだけでビール2杯はいけるな(中袈裟)。

料理が出てくるのを待ちながら、祭りのこと、焼きそば選手権のこと、
写真を撮るのが上手になったこと(K嬢の自称)などを話す。
K嬢のお母さんの妹さん(つまり伯母)は、とある焼きそば店を営んでおり、
そこの店がこの度選手権に出場することになり(覆面調査員などがこっそり食べに回り、候補を決めるらしい)、そんときの目玉焼きを焼いたらどうのこうのという話が絶妙に面白い。
人生、ハプニングがなければ楽しくありませんな。
まぁ我々、常にハプニングに突き進んでますけど。
それにしても、写真というもの、上手に写すのは実に難しいものであります。
最近、絞りと露出とシャッタースピードを調節することを覚えまして、
でもなかなかこれ!!という写真は撮れず、やっぱり一眼レフかなと思いつつ、
こないだ買ったのは1万円しないコンパクトデジカメで、
誰か一眼レフくれたら使ってあげてもいいんだけど。

そうこうしているうちに、料理が続々と現れる。
まずはこれだ。

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<酢牡蠣>
K嬢たっての要望で(中袈裟)注文。
小生、夏の岩牡蠣よりも、小振りなこういう牡蠣が好き。
ほとんどK嬢が食べた。何でも好きである。

そして、どどんと船に乗って登場。

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<刺身盛り合わせ> 
当然の八角と真烏賊、かんぱち、ホッキ貝。女性陣は貝類が好きだ。
K君はかんぱちが食べたいとのこと。小生は断然八角。

で、八角というものを生まれて初めて(多分)食べてみた。
ピンクががった色、さくさくとした繊維質。
旨くたとえられないが、ソイとかああいった魚によく似ている。
白身のあっさりした身であろうと予想していたのだが、違った。
旨いです、ほていやさん。
で、他の刺身も分け隔てなくバクバクと食す。

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ちなみにこれが八角の顔。
実によい目つきである。

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<スペアリブ辛味噌ソース>
好きなんです、豚肉。
肉屋で売っているスペアリブに比べると、料理屋で料理として出てくるスペアリブには
驚くほど多量の肉が付いている。
骨付き肉万歳!!

ほていやのスペアリブは薄味で柔らかく仕上げられていて、
それに辛味噌を付けて食べるのだ。
一皿全部食べたいが、大人なので節度ある行動をする。

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<牛肉の山椒味噌焼き>
我々(マスターも含めて)が必ず語るのが、会津若松の味噌田楽のことである。
奴郎ヶ前という地区にあるお秀茶屋を、マスターは強く推挙する。
我々が行ったのはそことは違う、接客に憤りを感じる店であったのだ。
地名が店についている店。
ある意味思い出には残りますけど。
(参照:http://nokishita08.blog50.fc2.com/blog-entry-29.html)
で、この山椒というのは、実に会津につながるのであります。
会津にはニシンを山椒漬けにした郷土料理があり、また、
田楽にも使われているはず。
そういう意味で、会津を感じさせるこの一品。
たれが旨くてしょうがないであります。
焼酎の品揃えでは屈指の当店ではありますが、
ついつい日本酒熱燗ばかりが進んでしまう。

「やっぱうしですね」とK嬢が主張する。
Hair BASARAのマスターも牛好きで有名である。

ちなみにこの日、K君の薦めで、焼酎は<七夕 古酒>という一杯だけを
飲んだ。
サラッとしていて味が口に残らない。
あれ?と思ってまた一口また一口と、どんどん飲んでしまう焼酎でありました。
軽い旨味にまた好感がもてます。

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帰り際、せっかくだからと一同で記念撮影。
マスター、なぜO脚にしているのだ。

皆さん、美味しくて楽しい店、「ほていや」にどうぞお越し下さい。


第3章 人生
かねてから、行きたいと思っていたのだ。
思いを暖めてきたのだ。
「人生劇場」に。

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徒歩にて約10分。
人生劇場前に到着。
うーむここが人生劇場ですか、では入ってみますか
などと話していると、ドアが内側からがばっと開く。
我らの来訪を予想していたが如く、ママさんらしき人(実際ママさんだった)が
顔を出す。
お互いに驚きつつも、入店。

内部は見紛うことのないスナックのカウンターだが、
不思議なのはお金持ちの庭園にあるような白テーブルと椅子が
片隅に置かれていること。
そして、広めのお座敷。
置かれたテーブルには鏡とドライヤー。
「今よー、おめかししてだのよー」
というようなことをママさんは言い訳するように言い、
我々もやんややんやと言いながらカウンターに4人ずらりと並んで着席。

つい先ほどまで団体客が2組来ていたそうで、大忙しだったそうだ。
カウンター上には片付けきれていない皿が並ぶ。

早速ママさんが「私は事情があって本荘から来た」というようなことを
自己紹介というかまぁそんな感じで話し出す。
隣店との関係の愚痴のようなものとか、いろいろ聞く。
まぁ何というか、小生なんかのんきに暮らしているのだなぁと
聞きながら思う。

我々、ビールを頼む。
突き出しがちょっと旨かった。
が、二人に1皿ずつ。なんのこっちゃ。

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<イクラと烏賊とタラコとか鮭フレークとか和えたやつ>
絶妙に旨い。(誉めすぎ)
これは日本酒だと銘柄は分からぬが熱燗を所望。
グイグイ飲む。

そうこうしているうちに次のお客さんが入店。
60歳は越えているだろうと思われる男性達だ。
K嬢の隣に座ったそのうちの一人が、我々に饒舌に話しかける。
ママさんの相手もしながらであるから喋るのが大変である。

つまみは魚オンリー。
カレイを揚げたのと焼いたのが出てくる。
それぞれ種類が違うらしい。
さすが日本海沿岸で暮らしてきたであろうママさんは
魚のエキスパートなのであろう。
ちなみに焼いた方は、ガス台の魚焼き器からすぐに出てきた。
余っていたのであろう。

そうこうしているうちに、K嬢が1曲披露。
曲名は失念。
そしたらママさんが負けぬとばかりに1曲披露。
欧陽琲琲の歌であったかのような気がする。

後に、「あのママさん、よっぽど負けず嫌いだな」と我々は振り返った。

魚は旨いのだが、いかんせん、酒の種類がないのであります。
いる人も面白いのだが、何だか少し疲れてきたのであります。
K君に耳打ちして、そろそろ出ようかとお会計をお願いしたところ…、
「んー、一人1,000円でいいよ」
とママさんが言うではないか。
そんなに飲み食いしなかった訳じゃないのにこの金額。
2,000円だって何とも思わないであろうに、これは嬉しい。
一同相好を崩しつつ、辞去。

看板前で記念撮影。
K嬢は、看板下に置かれた自転車にまたがる。さすがである。

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なるほど、「魚処」と書いてある。
そして、人情酒場であったのだな。
そして、「人生とはママさんの人生のことをいうのであろう」
と、後に我々は振り返った。
また行くことはあるかな「人生劇場」。


第4章 香り
人生劇場での興奮というか火照りを冷ますべく、
中央町を縦横無尽にうろうろする。
途中、小口から覗いてみようとしたところ自動ドアが開いて
あわてて走って逃げたり、
蕎麦屋の入り口から覗いたらカウンターの客達が揃って
ジロリとこちらを睨んだり(見ただけだろうけど)、
相変わらず「スタンドバー司」に行けてないなぁと思ったり、
楽しい時間を過ごす。

で、結局落ち着いたのは、「ポットスチル横手店」だ。
K君はここに来ると必ず<フィッシュ&チップス>を頼むそうで、
その話を聞いていたこともあるが、
楽しみに入店する。
もうすぐ410円に値上がりする煙草を買うべく小生はコンビニに走り、
ちょっと遅れて入店。
「マンハッタンたのんどいてください」とお願いしてあった。
当然フィッシュ&チップスは頼んだようだ。

少しして、届けられる。
飲み物と酒が。
K君は黒ビール、Yちゃんはシュがつくような名前のカクテル(うろ覚え)、
K嬢は…、忘れた。
で、乾杯。
そして、小生初めてのフィッシュ&チップス。

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<ハインツ モルトビネガー> ?円
K君こだわりのモルトビネガーだ。
「ちょっと匂いを嗅いでみてください」とK君に言われ、
嗅いでみる。
多少ズガンと来るのではないかと身構えていたのだが、そうでもなかった。
ただし、癖のある香り。
燻されたというか、人間の体臭の一部というか、
しかしながら、これをフィッシュ&チップスにかけて食うと、
気分は英国のパブらしい。
いただく。
珍味好きの小生が嫌いなわけがない。
ズンズン食べて、もう一皿注文。
別に向きになってるのではないのだが、小腹が減っていたのと、
香りに惹かれるのだ、モルトビネガーの。
で、小生もビールを頼む。
ショットバーでビールを頼むなんて、
「ポケット」で生エーデルピルスを頼んで以来だ。
エーデルピルスは旨いですよな(しみじみ)。

かつてとは違い、この時間帯になるともう、反省会というか、
今日の振り返り的な雰囲気になってきているような気がする。
それはそれでよし。
そんなに遅くなる前に辞去。
楽しい放浪でありました。


第5章 まとめ
知らない町(飲屋街)に放浪に行ってみたい。
我々の原点となる考え方です。
大館、山形、会津、仙台などにこのメンバーで行ってきたのだが、
それぞれに多大なる収穫がありました。
いちばんの収穫は「人」でありますな。
土地の人と接することでその土地が分かる。
偉そうに書いてしまいました。
放浪の楽しさは、酒+人+肴であります。
太田和彦先生もそう仰っておられる。
今のところ近場での放浪しか楽しめないが、
まだまだ楽しむ余地はありそうなのが今回の収穫。
「知らない店」「初めての店」に進んで入る。
これをモットーとする。(今、思いついた)
今更ながらですが。

ご精読、ありがとうございました。

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